IL MARE JOURNAL

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春らしい穏やかな毎日が続いている今週。
今日も爽やかで過ごしやすい一日となりました。

長い寒さから少しだけ開放され、穏やかに時間を過ごすまたとない週末に恵まれました。
店前の公園にも時間をのんびりと過ごす人たちの姿が目立ちます。

こんな一日はいつもと変わらない過ごし方を、ちょっぴり時間をかけての~んびりと過ごし、時間を贅沢に使って過ごしたいですね。

そんな春を楽しむ恰好の品物が到着を進めている今週ですが、中でもお客様方が楽しみにされていたのが、先般開催したパーソナルオーダー(スカートのみの開催)の到着。

それぞれのお客様の使用機会や、描いている雰囲気、身長や体格、異なるイメージを事細かく作ることがこのスカートのパーソナルオーダーの意義。

一般的にスーツやコート、ジャケットなど男性目線で想像されるような物と同じく、女性にとっては”意外”と見落とされやすいスカートやドレス(ワンピース)のパーソナルオーダーは、多くの人たちが考えているよりも繊細です。

そこには腰の位置やヒップの位置、それぞれの大きさ、小ささ、丈の長さや身長に対するベストな形など、実に考えれば奥が深いスカートの誂え。

前回の開催では偶然にもオーダーを頂いた全ての方がフレアスカートでご注文下さったのですが、タイトスカート等の他、お客様のアイディア次第で色々な着方の提案が出来る機会です。

今日はご注文いただいたお客様の中から(掲載のお許しを頂いた)数名の方の仕上がりを皆さんにもご紹介させていただこうと思います。

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こちらのお客様は小柄(身長150㎝台半ば)で細身の方で、ウエストと開きのボリュームが出すぎないよう考えた結果、生地そのものの重みを使って下へ落ちる分量を英国LINTON社のサマーツィードを使い誂えました。

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(トルソーのサイズより)細身の方のスカートの為、トルソーに着せると腰の膨らみが出てしまっていますが、実際には生地の重みによって開きを抑えた仕上がりになっています。

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LINTONらしい立体感のある生地の表情と微細なチェックに重ねられた挿し子刺繍の様なオーバーペーンが、このスカートに独特の魅力を与えています。

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素材自体の通気性も良く、見た目のボリューム感からは判らない程、実は着心地も軽やか。
オンのシーンも、オフのシーンも楽しめる一着に仕上がりました。

TEEシャツやデニムジャケットでカジュアルダウンしても良さそうなテイストです。

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同じくチェックのパターンでも、LINTONのそれとは異なる仕上がりになったこちらのお客様は、身長の高さ(身長160㎝台後半)を活かし、腰を高く、足を長く見せる為、着丈のバランスと使用するチェックのパターンを細かくしています。

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身長が高い分大きなチェックのパターンを避ける事で、全体に迫力を持たさずに落ち着きのある存在感が作れます。

身長を活かした流れるような美しいドレープを作るのは、やはり上質な素材。
使用したのはロロ・ピアーナ社製Summer Timeのプリンス・オブ・ウェールズ(グレンチェック)。

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しかも良く見るとブラックとホワイトのチェックではなく、薄い墨黒色とホワイトの交差。
この微妙なトーンダウンが、全体に押し出しの無い、穏やかさを作ります。

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軽やかでしなやか、それでいて通気性もありシワにもなりにくい、お客様が特に利用機会の多いオフィスユースでのユーティリティを考えると、非常に良い選択になったのではないかと思います。

勿論、週末にはTEEシャツやカットソーと合わせてのカジュアルダウンも楽しめそうですし、秋の半ばくらいまでニット等を駆使しながら色々な御洒落が楽しめそうですね。

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こちらは当店スタッフオーダーの”最も使い易く、最も上品で上質なブラック”を求めたもの。

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小柄な(身長150㎝台前半)体格にほっそりと腰高に見せてくれるフレアスカートは、比較的どんなスタイルにも使い易く、また小柄な女性にこそお勧めしたいもの。

と言っても、どんな形のフレアスカートでも良い訳ではありません。
当店がオーダーに使用するベースは全体2枚接ぎのほぼ半円に使い(大きな生地の分量を使います)、プリーツではなくドレープのみで表現する事によって、縦への強調が増え、プラス要素が多いことが魅力です。

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使用したのはロロ・ピアーナ社製のAustraris、Super 150'S。

非常に微細で光沢に富んだ高番手のウールはロロ・ピアーナらしい上品で上質な光沢と表情を生みます。(拡大写真はマットに見えています)

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より生地の良しあしが判り易いのが”ブラック”であり、それらに上質さを与えるには、ある程度の生地の使用が求められます。

特にこの生地は写真に収めると反射してしまうほど、その黒の光沢が美しく、また優れた生地の弾力性や滑らかさは群を抜いています。

時期によってはセレモニーにも使えそうですが、敢えてデイリーユースに向けた一着としてオンオフ問わず使える物にしています。

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また同じブラックでも、こちらのお客様のオーダーのようにある程度のコストを抑えながら光沢や美しいシルエットを作り出す事が出来ます。

こちらのお客様は身長も高く(身長160㎝台後半)、非常に着映えする体格の方。

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身長を活かし、女性らしい腰回りをより魅力的に魅せる為に、ウエスト位置が高く、またヒップから裾までのボリュームが出すぎないよう、少し寸法を変えています。

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その際ある程度生地の重み(本当に重い訳ではありません)があると、ドレープが横に逃げず、下へと向かい易くなるため、日本のファブリックメーカーによるSuper 110'Sを使用しています。

フレアスカートを着る際、特に日本人女性が陥りやすいのがヒップ上のボリューム。
欧米人に比べ日本人は圧倒的にヒップ位置が下につく体格でもある為、ヒップ上のボリュームを作れるよう”ある仕組み”をしています。(すべてのお客様のスカートにしています)

これによって身長の有無にかかわらず、腰回りがすっきりしながら、足は長く腰は高くと良いこと尽くめのスカートになります。

良い生地は海外だけではなく日本にも沢山の優れた生地メーカーがありますが、お客様の御予算や希望する着用機会や用途に応じたご相談で、色々な適え方が出来ます。

そして最後にご紹介するお客様のスカートはこちら。

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立体感のある素材としては当店で1、2を争うファブリックメーカーAGNONA社製のサマーツィードを使った一着です。

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秋冬のイメージが大きいAGNONAですが、春夏の生地にはAGNONAらしい上品で上質な物が沢山そろいます。

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その中の一つがこのツィードです。

穏やかさと自然な色合い、そして何より大人の女性らしい雰囲気を漂わせる立体感のある織は、この生地の採用だけで充分素敵に見せてくれる特別な魅力があります。

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元々重みのある生地の為、フレアに仕上げても広がり過ぎずに、二枚接ぎの魅力を十二分に発揮してくれる素材。

見た目以上に清涼感があり、また柔らかくシワが気にならないという素材特性も、高いポイントの一つですね。

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丁度お受け取りにいらっしゃったお客様にご着用の上、写真を撮らせていただきました。
このお客様の脚が最も素敵に見える丈が、この丈。

着ていらしたジャケットのボリュームにも負けないAGNONAの立体的な存在感は、今後どんな装いに合わせても生地負けする事が無く、勿論TEEシャツなどとカジュアルダウンして頂いても、大人らしい装いに見せてくれます。

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”生地は嘘をつかない”ことを実感させてくれる当店のパーソナルオーダーは、それまでの誂えとは違った別の何かを発見したり、またそれらが作り出してくれる上品、上質な大人の嗜みとして、表現してくれる”物言わぬ言葉”でもあります。

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当店が皆様にとって最も大切にお伝えしているのは、好みの素材や色でお選びいただく事だけ。

体格や身長など、その人の最も綺麗に、素敵に見えるバランスは、当店にお任せください!
人によって最も綺麗に見えるバランス(着丈やサイズなど)は、一人として同じ人はいません。

当店では様々なパーソナルオーダーを行っておりますが、今後は男性の靴などの他、更に色々な展開が待っています。

勿論、女性の為の様々なオーダーも♪

まだお試しになられた事の無い方も、是非気軽に店頭へご相談くださいね。





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当店は基本的に不定休となっております。
その為、店休日が不規則となります為、店頭或いはONLINE STOREトップページにて、ご確認の上ご利用下さい。

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台風が去り、徐々に秋も本格的になって来ました。
日中は一瞬暑さを帯びるも、一たび15時を過ぎれば風は涼しさを増し、夜には寒さを憶える程に。

天候の変化と共に、食事や読書などの時間が心地良い季節になりました。

春同様、秋はこれからと言っている間に過ぎてしまいます。
この季節を存分に堪能しておきたい季節です。

さて、いよいよ明日からはコートを中心としたPERSONAL ORDERが始まります。

先般行いましたジャケットやボトムスなどのオーダーで誂えて頂いたジャケットやボトムスに合わせ、秋冬をより素敵に感じるコートの受注会。

今回は男性はダブルブレステッドやベルテッド、女性は新たに当店創造のベルテッドダブルなど、新たな提案をもとにお勧めさせて頂きます。

いつもの様に期間中はお一人様あたり約一時間の完全アポイントメントを頂きます。
(※既に採寸済の方はアポイント不要)

今回のお勧め生地を筆頭に、毎年人気の高いPIACENZAのカシミアなど、今回も高品質なファブリックをご用意しております。

コートと言えば、当店が誂えるコートはどのように、どんな風に仕立てられているのだろう?と思われる方もいらっしゃる事でしょう。

生産背景をお伝えする機会は、それほど在りませんが、今日は当店のコートや一部のジャケット、スーツを誂える職人さんのお話をピックアップして見ました。

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当店が皆様よりオーダーをお受けする際、お客様の希望する幾つかの条件に応じて、それぞれ異なる作り手によって仕上げられています。

中でも今回開催するコート、そして一部のジャケットは、日本最高の仕立屋と評された企業の人々によって誂えられています。

この工場は1972年に開業したジャケット作り専門の工場を基に始まり、イタリアのサルトリアを彷彿とさせる様々な仕立ての技や縫製を頑なに今に受け継いでいます。

岐路となった1970年代以降に増えた「既製服」の流行。

それまで洋服は誂える事が一般的だった時代に、既製服が広く流通する時代に、この工場も方向転換を余儀なくされました。

その後、大量生産の中にも技術的に優れたものを取り入れるべく、イタリアのベテランモデリストである「コンスタンツォ・オーベルダン」氏を招聘し、約2年もの間日本で生活をし、その様々な技術を日本の職人たちに植え付けました。

氏は、あの名門サルトリア

『D・CARACENI』(カラチェニ)

で腕を磨き、当時大量生産を行っていたアメリカのBrooks Brothersの技術責任者も務めた、腕利きの本格派モデリスト。

彼が師事したカラチェニと言えば、クラシコイタリア、サルトリア界の頂点に君臨する一人。

これによって傑出した工場へと成長し、プレス機を多用せず、ラペルやのぼりなど仕上げの重要な部分に、アイロンによる癖付けを行うなど、着心地着易さ、更に着崩れない、至極の逸品が生まれるようになったのです。

こうして現在に至るまで、技術継承を守り、様々な仕様に対し(良い意味で)限りある中で柔軟に対応した仕立て、物作りが行われています。

既に当店で誂えて下さった御客様の中には、この工場(職人の手)によるジャケット、或いはコートで無ければダメだと仰る方もいらっしゃいます。

それ程に、仕上げ、仕立て、作りの全てに付加価値を感じる事が出来るものなのです。

全ては

試す事、感じる事で、知るもの

であり、これらが何たるかを知るには、先ず袖を通し誂えて見なければ伝わらないものかも知れません。

残念ながら私達の住む地域には、商い優先のオーダーが目立ち、本格的な物作りは数少なく(否、見当たりません)、何処彼処で作る事が出来る、安易なパターンオーダーには、造詣も裏付けも、ヒストリカルなストーリーも在りません。

お客様が

どんな物を嗜好するのかによっても、依頼するお店は変わるもの

です。

当店にいらっしゃるお客様の全てがそうでは在りませんが、どんな物になるのか、どんな仕上がりなのか、どんな着心地になるのか、を堪能して頂いた上でのリピートオーダーが大半を占めています。

迷いと共に誂えるくらいなら、誂えない方が良い、と私達は考えています。

私達は、お客様自身が、より魅力的に見える為のお手伝いをするのみです。

今回のオーダーを楽しみにしていたお客様、或いはこれから体感しようと思われている方も、是非この機会に新たな世界観を感じて見ては如何でしょうか。

※アポイントの空き時間、また詳細等についてはお気軽に店頭までお問合せ下さい。


1-3-11 minamichitose nagano 380-0823
call 026-219-3750
mail 
info@ilmare-online.jp



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