IL MARE JOURNAL

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タグ:ベルジャンシューズ

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春の風が強く吹き続く今週。
時折小雨交じりの空になり、春はようやく本格的になって来たようです。

春が本格化すると、途端に装いに軽さや心地良さを求めたくなりますよね。
洋服は勿論ですが、やはり欠かせないのが足元、靴の存在です。

今日取り上げる新作は、男性の特権的な存在だった”軽さ”や”柔らかさ”、そして”心地良さ”を上品に纏めた一足です。

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それが今季初お目見えとなるOrientalの新作、ベルジャンローファー。
”ベルジャンシューズ”と言えば、以前のブログにも記させて頂いた通り、NYに実在した名店。

ヘンリ・ベンデルがベルギー人の靴職人と共に作り上げた店の名前を取り”Bergian Shoes”と呼ばれています。

現在は、大意としてスリッポン状で甲のタン部分が浅く、菱形を思わせる様な形状を持つ物を総称して、そう呼ばれています。

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そのベルジャンシューズの形状や作りをベースに二つの形で作り上げた今回の新作達。
そこには欧州産のソフトグレインレザーを、アンラインド(裏地無しの一枚革で仕上げる事)で作り上げ、柔らかさと履き心地を高めた一足です。

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これらベルジャンシューズの様に、浅いタンを持つスリッポンやローファーは、とかく懸念される幾つかのデメリットが在ります。

先ず1つ目は「脱げやすい事」。
アンラインドにする事によって、踵の小さな女性にとって、こうした作りは脱げやすい物が多いのが現実。

そして2つ目は「甲が浅く安定感に欠ける事」
深く作られた深めのタンに比べ、浅いタンは爪先だけで支える事が多く、前述のアンラインドも加わり、より脱げやすい事もしばしば。

更に3つ目は「ソールの突き上げが響く事」
上品なシューズはアウトソールを薄く、そしてコバを張り出さずに仕上げるのが通例。
しかし男性の靴のみならず、女性のこの手の靴には薄いソールが災いし、地面の凹凸が足の裏への反発を生み、突き上げ感を感じてしまう事。

もともとパンプス等にも代表されるように、女性の靴のソールは薄く作られている物が大半です。
それは美しさを生む為でもありますが、足の反りを良くする事にも一役買っている為。

他にも個人差による様々な印象は在ると思いますが、大きく分けると、この3つはこの手の靴に対して抱かれるデメリット。

しかし、今回のOrientalの各シューズに、それらは一つも当てはまりません。

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一つ目の脱げやすい点、それに対処するのは柔らかな革の使用、それもアンラインドにする事によって生まれる、更なる柔らかさを持つ事で、ただでさえ懸念される脱げ易さが、どう回避されているのか、気になりますよね。

実は踵のカーブが通常の物に比べて内側へと傾いている事によって、この踵の脱げ易さが先ず少し緩和されています。

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逆にこの部分によって「踵へ食い込んで痛いのでは?」と思われる方も居るでしょう。
しかし、そこにはヨーロッパ産のソフトグレインレザーを使う事によって、非常に柔らかく、まるで布地の様な心地良さが肌へ優しくフィットし、ここにもフォローされる要素が在ります。

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そして二つ目の甲の浅さに脱げ易さを懸念する点には、ベルジャンシューズの形状特有の菱形の様な形状と、そのアッパーに使われているライニングが程よい硬さ(実際には柔らかい)があり、甲をしっかり支えてくれる事によって、爪先、踵、甲の3つの点で支えられる様になっています。

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こうした形の靴を選ぶには、必ずと言って良い程、小さ目のサイズを選ばずにはいられません。
それは脱げてしまう事を避けるため、少しでも前後のテンションでピッタリと支えておきたいからです。

しかし、そのサイズ選びは(他の靴の場合では)ピッタリし過ぎて、革が足に食い込んだり、痛みを感じる箇所もあるでしょう。

そこで、この革質が威力を発揮するのです。

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実際に足を入れたり、指で触れてみなければ解りづらいかも知れませんが、この革質はとにかく柔らかい。
それらが足を傷つける程硬いのか?と逆に無理な想像をするほど、とにかく柔らかいのです。

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そして三つ目のソール面からの突き上げ感には、インソールの全面に敷かれたクッションソールが解消してくれます。

アウトソールはレザーを採用し、反りの良さを作り、更に内側にはクッション性が高くフィット感を高める為の材料が使われている事によって、この靴の持つ魅力は想像以上に大きな物として体感する事が出来ます。

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この靴のサイズを選ぶのに際して、これらの全ての条件が加味されて作られている為、履き始めの窮屈さを感じる位のものを選ぶことが推奨されています。

アッパーのソフトグレインのピッタリと密着しながら伸びる習性、そしてインソールのクッション材によって徐々にチカラのかかる箇所が沈み込み、足の形へとフィットしていくと言う、実に考え抜かれた仕様が詰め込まれています。

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形はコインローファー型と、タッセルローファー型の2種類、それぞれに2色の色が揃います。

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どちらも同じ木型が使われており、作りもベースはベルジャンシューズ。
そして細部に盛り込まれたディテールも共通しています。

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爪先と踵の芯地を省き、爪先のボールジョイント部分(爪先の尖った部分の形状)も尖り過ぎず、丸みを持ち過ぎず、実にスマートに作られ、全ての条件が揃ったところに足を入れることで、持ち主の足型にじっくりとフィットして行く物になっているのですね。

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この作りによって、これまでこの手の靴を脱げやすいと敬遠していた方や、或いはスマートに見えないからと敬遠していた方にとっても、

痒い所に手が届く

一足になっている事が直ぐに伝わるでしょう。

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また独特な革の色にも注目。
タッセルローファーの形にはまるでダスティーピンクのように、非常に淡くくすんだピンクベージュの様な色合いが在ります。

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大量生産のブランドや靴には、先ず見られない独特な色合いは、長年靴づくりに携わって来たOrientalだからこそ成し得られるセンスであり造詣の答えとも受け取れます。

そして、小柄な女性にとっても嬉しいのは、当店の女性スタッフ(普段から靴のサイズが無く困る事が多い)が履いても、何の違和感もなくフィットすると言う点は、この靴の作りを裏付ける最たる答えとも言えます。

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普段21.5㎝や22.0㎝(靴による)の靴を履いているスタッフも、サイズ3を履いて丁度良くフィットしています。

勿論、足が小さな方にはこれ以上の伸びは在りませんから、このまま履けますし、逆にハーフサイズ大きな方が履いても、その分前後長や甲幅の伸びを踏まえてフィット感を高めていくことも可能です。

女性の靴探しは、比較的足に合っていない靴を価格だけで購入し、逆に足を痛めたりする人や、中々足のサイズに合う物が無いと言う人、他にも沢山の問題を抱えながら靴選びを(仕方なく)している方も多いと思います。

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靴の選び方で変わる、今回の新作は、きっと大きな感動を生む一つの答えになると当店は想像します。

新しい靴選びの方法、そして新しいフィット感の感覚を、是非今回の新作シューズから体感してみて下さい。

きっと”何かが違う”と感じて頂けると思いますよ。





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一昨日からの突然の吹雪が嘘の様に晴れ渡り、再び心地良い日差しに包まれた週末を迎えられそうな今週。

連日のハードワークもそこそこに、次なるシーズンの展示会が再び彼方此方で始まり、先月から多忙を極める毎日が続いている当店です。

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足早に動き、そして軽やかに街を行きかう”足”。
イタリア人にとっての足と言えば、FIAT500(チンクエチェント)。

写真のチンクエチェントは、先日の展示会中出会ったハウンズトゥースのラッピングをされた一台。

後に知ったのですが、THE RAKEでも活躍中のスタイリストさんの持ち物だそうですが、ラポ・エルカーンとお揃いの稀有な物だと言う事も合わせて知りました。

混雑した街中にチンクエチェントは、やっぱり似合いますね。

街を行きかう足と言えば、イタリア人が好む足元(靴)も、車同様、軽やかでしなやかな物が多いですよね。

スーツを着ても、カジュアルなドレスダウンでも、他の欧州国と比べてソールがしなやかな作りの物(或いはブランド)が多いのも特徴的。

それは装いの硬さや重さを”抜き”に掛かる物でもあり、街中を軽やかに歩けるマッケイやボロネーゼ等、反りが良く、薄くしなやかなソールを好むのも彼の国らしさ。

今日ピックアップするのは、今回当店がオーダーした”そんなイタリアの人々が好みそうな一足”です。

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それがEnzo Bonafeにオーダーしたベルジャンシューズ(Belgian Shoes)。

近年急激に広まり続けているベルジャンシューズですが、意外と知られていない、その由来。

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Belgian Shoes(ベルギーの靴の意味)と言う名前から、恰もベルギー発祥の靴かと思いきや、実はその名の由来はアメリカ、ニューヨークの老舗デパート”Henri Bendel”(ヘンリ・ベンデル)に在ります。

(ヘンリ・ベンデルと言えば、あの白黒ストライプのショッパーで知られるアレです。)

元々5番街で長らく続くHenri Bendelの創始者Henri氏が、ベルギーの靴職人と共に作り上げた形、そしてそれらに”Belgian Shoes”と言うブランド名を付けた事が始まりと言われています。

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現在では、その特徴的なタンの長さ(浅さ)や、菱形状のアッパー、張り出しの少ないコバなど、ドレッシーな雰囲気を持つ形を持った靴を総じてベルジャンシューズと呼ばれています。

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その特徴的なディテールを、イタリアの老舗Enzo Bonafeで表現したのが今回の靴なのですが、より軽やかに、しなやかに、そして心地良さを追求し完成したのが、このアッパーのレザー(fjord:フィヨルド)と、限りなく少ないコバの張り出し、そしてアンラインドで仕上げた事です。

元々耐久性があり、柔らかい事で知られるフィヨルドは、某メゾンHでも耳にしたことが在ると言う方も多いのではないかと思います。

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特徴的なシボと、とても柔らかく弾力性のある革質(仔牛革)によって、足への吸い付きの良さや、ソールの返りの良さを生かし、更にアンライニングによって、革の味わいと履き心地を直に感じられる物になっています。

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コバは元の状態から更に幅を狭め、この靴が存在する意義を当店なりに解釈、そして形にしています。

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良く知られていることですが、イタリア人はマッケイやボロネーゼ製法を好むと言われていますが、そこには足元で軽さを表現したり、履いている本人も履き心地が良い事も在ろうかと思いますが、何より私達が想像するのは、このベルジャンシューズにも代表されるように、甲が浅い事によって露出する肌面積が、全体のコーディネートに欠かせない色艶として醸し出されているのでは無いでしょうか。

女性にとってのパンプスから覗く肌面積同様、男性も同じ様に肌面積によって大人の艶気を作りだす事をイタリア人男性は良く知っているのだと思います。

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今回、当店がオーダーしたBonafeには、アンライニング、柔らかく耐久性のある革質、返りの良いアウトソール(半マッケイ・半グッドイヤー)と、実にイタリア人男性が好みそうな軽さと色気を持つ至極の一足であることは間違いありません。

同色のホーズ(ソックス)を合わせても良し、素足でも良し、常に男性の足元を彩る今回の新作を、是非実際に体感してみて下さい。

きっと想像以上の心地良さに包まれます。





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