
夏の夕立のような夕刻を迎えている6月中旬。
もはや梅雨を超えて、一気に夏になったのでは?と感じさせる毎日が続いています。
真夏と違って、夕方には涼しい風がそよぎ、とても過ごしやすいのですが、日中の暑さを考えると、もうすでに夏はすぐそこまで来ていることを知らされます。
さて、そんな中、一足早く秋展開の予定だったR.C.A.Fの新作が到着しております。
とはいってもシューズゆえ、季節感が無いと言えば無いのですが、今回はR.C.A.Fの拘りがモリモリに詰め込まれた一足をご紹介します。
もともと拘りの強さが半端じゃないR.C.A.F。
前回のミリタリースニーカー同様、今回オーダーした”フレンチローファー”も並々ならぬ拘りが詰め込まれています。

今回当店がオーダーしたフレンチローファーは、ベースに1960年代のフランスのヴィンテージのローファーの木型を現代的にモディファイしたものが使われています。
60年代のフランスと言えば、ハイブランドファッションが脚光を浴びた時代でもありますが、意外にも若者たちからは批判が起き、個性を極めるファッションを求める人たちが増える反面、なぜか”ジーンズ”が浸透したという、ねじれ現象が起きていた時代。
そんな背景も含めて、当時からフランスのファッションは個性を大事にしていることが根底にあることが判ります。
フランスのBCBG(グッドスタイル、グッドクラスの意味)に代表されるフランスの上流階級を背景にしたシックでコンサバティブなファッション、フランス流プレッピーはジーンズ抜きに語れないスタイルですが、そこにあるのがローファーであり、アメリカでもヨーロッパでもローファーは欠かせないアイテムの一つ。
この背景を頭に描きながら、このR.C.A.Fのローファーを見ると、非常にイメージしやすいと思います。

今回オーダーしたローファーに当店が採用したのは、2つのタナリーの革。
ブラック、コニャック系の2色共に共通しているのは、ソール材とライニング材のみで、アッパーはそれぞれの趣を大切にしたものを使用しています。

ブラックのアッパーは、ドイツの名門タンナー”WEIN HEIMER”(ワインハイマー)の”G-BOX”(カーフの名称)。

WEIN HEIMERは、170年以上の歴史を持つヨーロッパ最大規模の老舗タンナーであったカールフロイデンベルグ社の技術、製法、職人たちを引き継いで設立された名門。
そのWEIN HEIMERのG-BOXと言うカーフは、ブラックのみしか作らないという拘りようで、このカーフは世界最高峰のボックスカーフとして世界中に知られています。

そしてライニングはフランスの名門タンナーであるDU PUY(デュプイ)社製の物を使用。
アッパーに使われる革として広く知られるDU PUYですが、ライニングに抜群の吸湿性と柔らかく滑らかな肌触りが特徴。

そして今回のローファーに共通して採用されているアウトソールが、OAK BARK(オーク・バーク・ベンズ)の革底。
最高級の革底材として知られるOAK BARKは、名の通り”樫の樹皮”(OAK BARK)から風出されるタンニンのみで鞣されている革で、非常に時間と労力を伴う古典的な工程によって作られる為、ヨーロッパ広しといえどもごく限られたタンナーでしか行われていません。
この製法によって作られる底材は、繊維が詰まっており、耐久性が高く、長時間かけて鞣されることでタンニンの結合が強く、水分を含んでも変形し辛く、ひび割れもし辛いという特徴を持っています。
その反面、耐久性のハリやコシが有りながら、履き込むごとに柔らかさを増し、OAK BARK特有の滑らかな屈曲性を生み出すという側面も持っています。

材料だけではなく、細部のディテールにも拘りがあり、この写真で見ると分かるように、履き口の内側が外側に比べて高く作られているのですが、この形状によって、”甲の部分に寄るシワが綺麗に出やすくなる”と言うメリットを生み出しています。
良質な素材の靴は、シワの寄り方も違いを見ることが多いのですが、このローファーもまた同様の美しいシワの寄り方が出るようになるということです。

その他にも拝みモカ(縫い)は極微な凹凸にとどめられ、全体的にクリーンな印象を与えると共に、このローファーの形状をよりフレンチなエッセンスに見せることにも寄与しています。
実際に履いてみると、アッパー(サドルは縫い付け)のサポート性が高く、足を包み込むような履き心地ですが、インソールの沈み込みが進むにつれて、徐々に足の形に変わりゆくことを実感します。
60年代当時の木型をもとに、現代的なリファインを加えられているところも、足を入れることで感じます。
そしてコニャック系カラーの方

如何にもブレザーやグレーのトラウザーズが似合いそうな美しいコニャック系カラーですが、こちらはイタリアのタンナーIL CIA(イルチア)社のSETANILを採用。

1930年代から続くIL CIA、イタリアンカーフの代名詞と呼ばれるボックスカーフが、このSETANILです。

厳選を重ねた上質な原皮のみから作られる、非常に肌目が美しくハリのあるカーフが特徴です。

IL CIAらしい僅かな革色の濃淡があったり、とにかく革その物の表情が艶やかで美しく、この色との相性も抜群によい革です。

私達の中で、ブラック、そしてコニャックの二つのカラーは、フレンチローファーとして欠かせない2色で、どちらもフレンチシックを気取るには欠かせない色。

いずれも最高峰の革を使い、そしてR.C.A.Fらしい細部のディテールや拘りが満載の、言わば玄人的魅力を持つローファーたち。
ヨーロッパを中心に多くの原料や資材が高騰を続ける中、こうした高品質な素材を集めて作り上げられたR.C.A.Fの新作は、もはやコストパフォーマンス抜群と言わざるを得ません。
年間を通じて出番の多い2色のローファー、もはや2色買いも辞さないほどのお勧めです。
長く履き続けながら、風合いを楽しみ、装いを楽しむ。
人生を共に生きる一足として、是非試してみてはいかがでしょうか。
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