今年一番の寒気が全国を包み、北の沿岸は勿論、関東や九州地方まで雪に包まれる一日に。
長野地方は雨の如く雪が降り、既に雪は止み路面はシャーベットになっています。
明日には再び晴れ間が戻りそうですが、今日は外出を控えた方が良さそうです。

さて、こうして寒さが進むと「防寒対策」は必然に。
コートやダウンは勿論ですが、中身の充実は必須。

特に暖かさを保つニットウェアの存在はいつも以上に大きくなりますね。

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今日は皆様が何気なく手に取っている「ニットウェア」について知られざるお話を幾つか挙げてみようと思います。

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皆様がご購入される数々のニットたち。
その品質は「ウール」として総称され記載される事が多いと思います。

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ウールの中にはブレンドされた物も在れば、編地の太さの違いなど、一般的に目にする事が多いのはお店での会話や雑誌などで知る事が多いはず。

実は、ニットのウールもシャツやスーツなどの服地同様、知れば知る程奥が深いものです。

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それらの品質を謳う上で、独特な品質表示と確かな実力を見せてくれる一つが、スコットランドの老舗「Wiliam Lockie」です。

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例えばこのケーブル編みのニットは、カシミア糸を使って編まれたもの。

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表示には100% PURE CASHMERE(100%ピュアカシミア)と記されています。
(ブランドの織ネームに品質表示をする時点で、このブランドが特殊である事が窺えますが)

この「PURE」の文字は純度の高い事を示す、言わばブランドの信頼性や自信の表れでもある訳ですが、つまり

混ざりものが無い、純粋なカシミア糸

で在る事を謳っています。

通常、ダウン等(中綿の充填)もそうですが、一つの製品を作り上げる過程の中で、無菌室で作業をする訳ではないので、数パーセントの混入物は避けられません。

例えばダウンウェアの最高峰MOORERなどには表示上の制限からフェザー(「ダウン=指定された水鳥の胸の毛」のみ以外の物をフェザーとして捉えています)を3%と表示する物があったりします。

こうして制限された中で限り無く純度の高い製品を作り出すには、確実な仕事と信頼が無くては、自信たっぷりに謳えない事になります。

しかし、Wiliam Lockieはこれらを多くのニットウェアにPUREの文字やVIRGINの文字を使い、自らが作り出す製品の信頼性をシッカリと伝えているのです。

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このケーブル編みのカーディガンも同様の表示が為されています。

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ここではPUREではなくMERINOのみの表記。

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暖かさ、品質は一般的なメリノ種と変わり無いのですが、これらを「混入物無く作っていますよ」と言う表現です。

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このボンバータイプのニットではどうでしょう。

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このニットには100% NEW LAMBWOOLと表記されています。

ここで指すNEWは、その年初めて羊から刈り取られた毛で在る事を指します。
これがVIRGINになると、生後3か月から半年程度までの仔羊の初刈の毛を指します。

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こうした表示は高い品質の証明だけではなく、しっかりと暖かさや触り心地にも顕れます。

一般的にラムズウールの触り心地を想像した場合、多くの人が「チクチクするイメージ」を持つ事でしょう。

ところがNEW LAMBや、VIRGIN LAMBには、そのような感触は皆無です。

正確に品質管理された素材を、高い技術で作り上げ、適正な価格で提供する

この当たり前の仕事(作業)をWiliam Lockieはし続けているのですね。

同じ様に多くの方が誤認し易いのが、「カシミア至上主義」な考え方。

勿論カシミアが柔らかく心地良い素材であり、暖かさを持つ糸である事は周知のとおりですが、実はカシミアにも刈り取られる羊年齢や、刈られる部位など、その箇所や時期によっては、品質が大きく異なるのです。

つまり「カシミアだから暖かい」とか「カシミアだから高級」と言った神話は、長年人々が作り上げた想像論なのです。

実際、Wiliam Lockieのラムズウールは、一般的なカシミア糸のニットに比べ、遥かに暖かく保温性に優れています。

多くの人たちが誤認する毛糸の知識は、正確な知識のもと、正しい選び方で手に入れる事によって、長年愛する事が出来、また暖かさへの信頼性も上がる物になります。

Wiliam Lockieは人知れず、こうした努力を培って来た数少ないブランドと言えるかも知れません。

またDrumohrやSettefili Cashmereにも、異なる糸の習性を活かし、暖かさや雰囲気を作り出す魅力が在ります。

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Drumohrは様々な糸のサプライヤーから、その形や色、編地に合わせ、最適な糸を採用しています。

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このタートルネックのニットでは、5Gのラムズウールを使用し編まれています。

しかし同じ5GのラムズウールのDrumohrのニットに比べ、軽く、糸も細く、柔らかい事に気付かされます。

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その理由は糸の毛足の長さを活かし、隙間を埋める作業をする事によって、他の同じ太さのラム糸よりも軽く柔らかく仕上げる事が敵っています。

ひょっとすると(表示はされていませんが)糸の毛質から想像するとVIRGIN LAMBを使用しているかも知れません。
それほど柔らかく毛質が優れていると感じさせるのです。

こうした想像によって毛糸その物の品質を紐解いていくのも、物を選び、多くを知る楽しみ方の一つかも知れませんね。

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Settefiliの場合はどうでしょうか。

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Settefiliの場合も詳細な品質表示は為されていませんが、このアルパカ混(糸の素材にはアルパカ、ウール、アクリルの3種が混紡されています)のニットの場合には、限りなく迫力のある太さの糸を使用し、ボリューム感と暖かさを兼ね備えた物に仕上げている事が直ぐに判ります。

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世界に数台しかないヴィンテージの緩編み機を使って作られる、このブランドのニットには、他とはまた違った魅力が在ります。

このニットはこうした編み機で作られた物とは違うと思うのですが、糸の太さを出し、アルパカの様に暖かさに優れた糸を使う事によって生まれる、糸へのダメージを考え、アクリルを混紡している事が想像出来ます。

ニットを生業とする、(由緒正しい)ブランドには、一般的には解り辛い様な細部への拘りと、糸が作り出す表情や耐久性など、見えない所に企業努力が在ります。

こうして各ブランドが持つ、魅力や暖かさには、必ずと言って良い程、理由が備わります。

名称至上主義で洋服選びをする人々にとっては、無用の長物的解釈かも知れませんが、こうした裏付けの元、実力を見出され、トップメゾンなどにOEMを依頼される事が多いことも確かです。

ニットの暖かさと心地良さは

餅は餅屋

の精神によって、間違いのない選択が叶えられるのかも知れませんね。

是非、店頭にいらした際には、同じ素材同士を比べてみて下さい。
きっと、それまで知る事の無かった別の世界が開かれるに違い在りません。


ちなみに、今回ご紹介したニットたちは現在実施中のBUY 2 ITEMS +10%OFFの対象商品です。
こちらもこの機会に是非ご利用下さい。


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